わが友ヒットラー

by 三島 由紀夫

Blurb

『わが友ヒットラー』は、三島由紀夫の戯曲。全3幕から成る。アドルフ・ヒトラーが政権を獲得した翌年に起こした突撃隊粛清を元にした作品である。ヒトラーに厚い友情を抱いているナチスの私兵・突撃隊幕僚長のエルンスト・レームと、全体主義への移行のために「中道」の方向を国民に示す必要から極右のレームの処分を考えるヒトラーとの対比を会話劇で描いている。私兵「楯の会」を率いていた三島が、レームに理想の人物像を重ね合わせている作品でもある。
1968年、文芸雑誌『文學界』12月号に掲載され、同年12月5日に新潮社から単行本刊行された。初演は翌年の1969年1月18日、劇団浪曼劇場第1回公演として紀伊國屋ホールで上演された。翻訳版は佐藤紘彰訳で行われている。登場人物が男性4人だけなので、女性6人のみの『サド侯爵夫人』と対をなす作品となっている。なお、作者・三島による脚本読みの肉声録音が残っている。

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