自己流園芸ベランダ派
Blurb
タレント、ミュージシャン、作家……と多様な顔をもつ、著者いとうせいこう氏は自宅マンションのベランダで60鉢もの植物を育てる「ベランダー」でもある。「ベランダー」とは著者の造語で、ガーデナーと区別したものだ。
面積や日照時間が限られる都会の狭いベランダでは園芸書の知識は通用しない。
著者は10年以上のベランダー経験をもとに自己流で植物の世話をし、試しては枯らし、枯らしては試すを繰り返す。
しかし、その自由さこそがベランダーの醍醐味なのである。
たとえ枯らしてしまってもいいのだと著者は言う。
それも植物の生命のひとつのサイクルであり、そもそも植物の生命をコントロールしようとすること自体が無理なのだから……。
本書は、そんな著者の植物生活をつづったものだ。
著者と一緒に植物の生命の偉大さに驚き、感謝したくなる一冊です。
<目次>
まえがき「日記係の二年間」
2004年
春
始まりのご挨拶―福音の春が来た
匂い桜―桜は下を向いて咲く
沈丁花―「特売品」は翌年用 ほか
夏
腕試される季節
アマリリス―アマリリスの墓標
ニッキ―植木市での陶酔 ほか
秋
タイム―ウキウキ武土器
月下美人―大切な一夜の花
勇敢な旅 ほか
冬
サザンカ―一進一退は続く
シャクナゲ―師の教え
サザンカ―教えに背いた罰 ほか
2005年
春
ピンクネコヤナギ―俺を励ました光
ゴールデンモンキー―珍名さんの到来
ブロッコリー―不運な収穫 ほか
夏
茶―ベランダ茶園という夢
エンジェルズ・トランペット―越えられない壁
あんず―あり得ない結果 ほか
秋
萩―風流の代償
夜顔―風を受けて咲く花
芙蓉―実感のない満開 ほか
冬
藤―季節の先取り
シシトウ―シシトウの紅葉
アジサイ―植物型マシン ほか
2006年
春
ベランダはパンク状態
ミント―正真正銘の介護態勢
ヘデラ―最高の小さな贈り物 ほか
〈対談〉園芸家の柳生真吾さんと「八ヶ岳倶楽部」にて
〈対談〉詩人の伊藤比呂美さんと俺のベランダにて
あとがき
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