キャンディ

fiction by Kevin Brooks

Blurb

『キャンディ』は、マックスウェル・ケントンとメイソン・ホッフェンバーグが書いた小説で、1958年にパリのオリンピア・プレス より出版された。マックスウェル・ケントンというのはテリー・サザーンの変名であり、ゴア・ヴィダルの『マイラ』と並んで1960年代の奇書といわれている。
この小説はヴォルテールの『カンディード』を土台にしたもので、キャンディという少女の破瓜に至るまでの性的遍歴を、毒のあるユーモアを交えながらスラップスティックコメディさながら冷笑的に描いている。出版社が悪名高いポルノ本の版元であるため、フランスで発行された英語の小説であるにもかかわらず、青少年に悪影響を与えるとして発禁処分を受けた。
米国では1964年になって、大手出版社のパトナムからテリー・サザーン名義で出版され、ベストセラーになった。日本語版は1965年6月に稲葉明雄の翻訳で早川書房から出版されたが、早々に発禁・絶版となり、入手し難い本のひとつである。また、1964年6月にオリンピア・プレス版の翻訳として浪速書房より清水正二郎または磯村謙訳によりマックスウェル・ケントン名義で発行されたものもあり、テリー・サザーン名義のものと内容が若干異なっている。現在はテリー・サザーン名義の高杉麟訳による角川書店版が発行されている。

First Published

2005

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