『ヨセフとその兄弟』は、トーマス・マンの小説。旧約聖書のヨセフの物語を大長編に仕立てた作品で、『ヤコブ物語』『若いヨセフ』『エジプトのヨセフ』『養う人ヨセフ』の4部からなる。ナチス政権下のドイツからの亡命をはさみ、18年にわたって書き継がれた。ヨセフとその父ヤコブの関係を軸に、フロイト心理学を援用しながら人類の和解とヒューマニズムの主題を扱っており、背景にはナチスの思想、特にローゼンベルクの『二十世紀の神話』に抗する意図があった。 …
『ファウストゥス博士』は、トーマス・マンの小説。『ファウスト博士』とも訳される。1947年刊。架空の近代音楽作曲家アドリアン・レーヴァーキューンの運命をファウスト伝説を下敷きにして描いた長編で、マン晩年の作品。「一友人によって語られるドイツの作曲家アドリアン・レーヴァーキューンの生涯」の副題が示すとおり、古典語学者ゼレヌス・ツァイトブロームが年下の友人であるレーヴァーキューンの生涯を語り起すという設定で書かれている。もともとはマンが若い頃に短編の素材として着想したもので、1943年になってふと思い出し長編に仕立てたものであった。 …
『ファウストゥス博士』は、トーマス・マンの小説。『ファウスト博士』とも訳される。1947年刊。架空の近代音楽作曲家アドリアン・レーヴァーキューンの運命をファウスト伝説を下敷きにして描いた長編で、マン晩年の作品。「一友人によって語られるドイツの作曲家アドリアン・レーヴァーキューンの生涯」の副題が示すとおり、古典語学者ゼレヌス・ツァイトブロームが年下の友人であるレーヴァーキューンの生涯を語り起すという設定で書かれている。もともとはマンが若い頃に短編の素材として着想したもので、1943年になってふと思い出し長編に仕立てたものであった。 …