シルヴィーとブルーノ

Blurb

『シルヴィーとブルーノ』は、ルイス・キャロルの存命中に出版された最後の小説。1889年に第1編が出版され、1893年に続編である『シルヴィーとブルーノ・完結編』が出版された。両編共に挿絵はハリー・ファーニスが手掛けた。
『シルヴィーとブルーノ』は2つの主要なプロットから成り立っている。一方は本書が出版されたのと同時代の現実の世界を舞台にした物語であり、もう一方は架空の世界であるフェアリーランドを舞台にした物語である。後者の物語が、キャロルの最も有名な児童文学『不思議の国のアリス』と同じく、多数のナンセンス要素とナンセンス詩を伴ったお伽話である一方で、ヴィクトリア期のイギリスに舞台を取った方の物語は、登場人物たちが宗教、社会、哲学、倫理等の様々な主題について、様々な側面から議論を交わす社交小説となっている。