宴のあと

fiction by 三島 由紀夫

Blurb

『宴のあと』は、三島由紀夫の長編小説。高級料亭「般若苑」の女将・畔上輝井と、元外務大臣・東京都知事候補の有田八郎をモデルにした作品である。ヒロイン・かづの行動的な熱情を描き、理知的な知識人の政治理想主義よりも、夫のためなら選挙違反も裏切りもやってのける愛情と情熱で、一見政治思想とは無縁で民衆的で無学なかづの方が現実を動かし政治的であったという皮肉と対比が鮮やかに表現されている。
『宴のあと』は1961年3月15日、モデルとされた有田八郎からプライバシーを侵すものであるとして、三島と新潮社が訴えられ、長期の裁判沙汰となり、「プライバシー」と「表現の自由」の問題が日本で初めて法廷で争われた。。日本ではそこばかりに焦点があてられがちだが、作品の芸術的価値は海外の方で先に認められ、1964年度のフォルメントール国際文学賞 で第2位を受賞した。

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