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三島 由紀夫

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『宴のあと』は、三島由紀夫の長編小説。高級料亭「般若苑」の女将・畔上輝井と、元外務大臣・東京都知事候補の有田八郎をモデルにした作品である。ヒロイン・かづの行動的な熱情を描き、理知的な知識人の政治理想主義よりも、夫のためなら選挙違反も裏切りもやってのける愛情と情熱で、一見政治思想とは無縁で民衆的で無学なかづの方が現実を動かし政治的であったという皮肉と対比が鮮やかに表現されている。 …

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『太陽と鉄』は、三島由紀夫の自伝的随筆・評論。三島自身は、「告白と批評との中間形態」としている。主に自らの肉体と精神、生と死、文と武を主題に書かれたもので、三島の文学、思想、その死を論じるにあたり重要な作品である。刊行に際しては、終章として自衛隊の練習機「F104機」に乗った記録の随筆と長詩を付加している。〈太陽〉との2度の出会いを通じて「思考」が語られ、〈鉄〉はボディビルの鉄塊の重量」として「筋肉」との関連で語られている。 …

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『午後の曳航』は、三島由紀夫の長編小説。横浜山手を舞台に、ブティックを経営する未亡人と息子、その女性に恋する外国航路専門の船員とが織り成す人間模様と、少年たちの残酷性を描いた作品。前編「夏」、後編「冬」から成る。構成としては、前編はごく普通のメロドラマとして終わり、後編でその世界が崩壊していく様が書かれている。なお、モデルとなったブティックは横浜元町に現存する。1963年9月10日に書き下ろしで講談社より刊行された。文庫版は新潮文庫で刊行されている。翻訳版は1965年のジョン・ネイスン訳をはじめ各国で行われている。 …

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『仮面の告白』は、三島由紀夫の2作目の長編小説。三島の自伝的作品で、大きな成功をおさめた代表作である。人と違う性的傾向に悩み、生い立ちからの自分を客観的に生体解剖していく「私」の告白の物語。性的異常者の自覚と、正常な愛への試みと挫折が、苦痛と悲哀に満ちた理知的かつ詩的な文体で描かれている。当時、同性愛というテーマを赤裸々に綴ったことは大きな話題を呼び、この作品により三島は一躍、24歳で著名作家となった。日本文学史上でも、その異質性においても画期的な作品だとされている。 …

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『三熊野詣』は、三島由紀夫の短編小説。民俗学者の折口信夫をモデルにした作品である。1965年、雑誌『新潮』1月号に掲載され、同年7月30日に新潮社より単行本刊行された。同書には他に3編の短編が収録されている。現行版は新潮文庫の『殉教』で刊行されている。翻訳版は1989年にジョン・ベスター訳でなされている。 …